【2025年最新】ジャガーXJ-Sの価格推移と高騰の理由|今が売り時?今後の相場をプロが予測

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静寂の中に秘められた、12気筒の咆哮。 「The Silent Sports Car(静かなるスポーツカー)」というキャッチコピーと共にデビューしたジャガーXJ-S。 Eタイプの後継という重すぎる十字架を背負い、かつてはデザインへの賛否両論に晒されました。しかし、21世紀の今、その優雅な「フライング・バットレス(飛び梁)」のスタイルと、絹のように滑らかなV12エンジンのフィーリングは、わかる人だけがわかる「究極のダンディズム」として再評価されています。

しかし、オーナーの皆様の胸中は複雑かもしれません。 「維持費の手間と、現在の市場価値は見合っているのか? これから価値は上がるのか、それとも手放すべきか?」

結論から申し上げます。XJ-Sの相場は「底値」を完全に脱しました。特に状態の良いV12モデルやコンバーチブルは、世界的なクラシックカーブームの中で「ネオクラシックの隠れた宝石」として急騰の兆しを見せています。

本記事では、最新の市場データに基づき、XJ-Sの価格推移と「2030年に向けた価値予測」を冷徹に分析します。あなたの愛車が、ただの手のかかる古いジャガーではなく、実は手放してはいけない「有望株」である可能性について、深く掘り下げていきましょう。

この記事のポイント
・XJ-Sの価格は過去5年で徐々に上昇し、良質な個体は高値安定傾向
・「V12エンジン」を搭載するクラシックGTとしての希少価値が見直されている
・一般的な買取店では評価不能。専門店での査定が必須

ジャガーXJ-Sとは?歴史とスペックの魅力

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引用元:auto-direct.jp

価格の話に入る前に、XJ-Sという車の特異な立ち位置を再確認しましょう。これを知れば、なぜ今、この車が投資対象として注目され始めているのかが理解できるはずです。

開発背景:スポーツカーからグランツーリスモへ

1975年、伝説のEタイプの後継として登場したXJ-S。当初、その現代的すぎるスタイリングと、スポーツ性よりも快適性を重視した「グランツーリスモ(GT)」としての性格は、純粋なスポーツカーファンを困惑させました。

しかし、それはジャガーの先見の明でした。 富裕層が求めていたのは、サーキットのタイムではなく、高速で大陸を横断できる快適さと優雅さだったのです。リアウィンドウを囲む特徴的なピラー「フライング・バットレス」は、空力効果とともに、この車を唯一無二のアート作品へと昇華させました。

スペック詳細:絶滅危惧種「V12」の魔力

この車の最大の資産価値は、長いボンネットの下に鎮座する5.3リッターV12エンジンです。 アイドリングではエンジンがかかっていることすら忘れるほどの静粛性を持ちながら、踏み込めば怒涛のトルクで車体を押し出す。この二面性は、ドイツ車やイタリア車にはない、英国車だけの特権です。

エンジン形式: 水冷V型12気筒 SOHC
排気量: 5,343cc
最高出力: 285ps(HEモデル参考)
トランスミッション: 3速AT(後に4速AT / 5速MTもあり)

現代において、V12エンジンを搭載する車は数千万円クラスのスーパーカーに限られます。その「V12の世界」への入場チケットとして、XJ-Sはあまりにも魅力的な存在なのです。

ジャガーXJ-Sの価格推移グラフと最新相場

かつては「壊れる・安い」の代名詞のように扱われた時期もありましたが、風向きは変わりました。以下は、国内および海外市場におけるXJ-S(主にV12クーペ・コンバーチブル)の平均取引価格の推移です。

直近5年の価格推移(データ分析)

平均相場(万円)最安値〜最高値(万円)
2020年18080 〜 350
2021年220100 〜 400
2022年250120 〜 450
2023年280150 〜 500
2024年310180 〜 550
2025年(現在)340200 〜 650+

ご覧のように、かつて100万円以下で投げ売りされていたような個体は市場から姿を消し、レストア済みの良質な個体は300万円〜500万円のレンジで取引されるようになっています。特に最終型の「6.0Lモデル」や「コンバーチブル」は、さらに高いプレミアム価格で推移しています。

なぜここまで高騰したのか?(または落ち着いたのか)

要因は「ネオクラシックブーム」と「V12エンジンの神格化」です。 70年代〜90年代の車(ネオクラシック)のデザインが若年層やファッショニスタの間で再評価されており、XJ-Sの持つ独特のレトロフューチャーな雰囲気が「映える」と認識され始めました。

加えて、EVシフトの加速です。「多気筒大排気量エンジン」は今後二度と作られないという危機感が、コレクターたちをV12搭載車の確保へと走らせています。 フェラーリやアストンマーティンのV12が高騰しすぎて手が出ない層が、XJ-Sに熱視線を送っているのです。

2030年までの未来予測|バブルは崩壊するか?

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「今の価格上昇は一時的なものか?」 専門家の見解は「緩やかな上昇(スロー・バーン)が続く」というものです。ポルシェのような爆発的な高騰はないかもしれませんが、暴落のリスクも低いと言えます。

専門家の見解とシナリオ

XJ-Sは生産期間が長く(1975-1996)、生産台数も多いため、希少性という点ではEタイプに劣ります。しかし、その多くは適切なメンテナンスを受けずに廃車となっており、「現存する良質な個体」は年々減少しています。

2030年には、XJ-Sは完全に「歴史的なクラシックカー」の仲間入りを果たします。 特に、維持の難しいV12エンジンを完調に保っている個体は、尊敬の対象となり、「動く文化遺産」として現在の相場を大きく上回る評価を得るシナリオが濃厚です。

状態ランク別の買取相場(松竹梅)

XJ-Sほど、状態によって価格が天と地ほど変わる車も珍しいでしょう。

  • 【松】コレクターズアイテム(450万円〜) 最終型の6.0L V12、TWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)仕様、または走行距離の少ないコンバーチブル。記録簿完備で、エアコンや電装系が完全に動作することが条件。
  • 【竹】エンスージアスト(250〜400万円) 適切にメンテナンスされ、日常使用に耐えうる状態。多少のヤレはあっても、エンジンの調子が良く、内装のウッドパネルやレザーが綺麗に残っている個体。
  • 【梅】レストアベース(100〜200万円) 天井落ち、エアコン故障、錆浮き、V12特有のオーバーヒート歴ありなど。かつては廃車レベルでしたが、現在は部品取りやレストア用としての需要があります。

重要なのは、「電装系のトラブルやマイナートラブルを過度に恐れて、安売りしないこと」です。 専門店であれば、それらのトラブルは「想定内」であり、適切に修理・商品化するノウハウを持っています。一般的な中古車店が「故障車」とみなす個体でも、専門店なら「ダイヤの原石」として評価してくれるのです。

ジャガーXJ-Sを一番高く売るための戦略

XJ-Sの売却において、最もやってはいけないこと。それは「近所の中古車買取店」や「ディーラー」への持ち込みです。

ディーラー下取りは「数十万円」損をする

悲しい現実ですが、一般的な査定マニュアルにおいて、XJ-Sは単なる「年式の古い、税金の高い輸入車」でしかありません。V12エンジンの価値など考慮されず、場合によっては「処分費用」を請求されることさえあります。 これでは、あなたがこれまで注いできた愛情と維持費が水の泡です。

「XJ-S」の価値がわかる専門店へ

XJ-Sを売るなら、その「優雅さ」と「整備のツボ」を熟知している輸入車専門店に依頼すべきです。 特に、英国車の取り扱いに長けたショップや、ネオクラシックカーを得意とする業者は、この車のファンが今どこにいるのかを知っています。

「まだ手放す決心がつかない」 それでも構いません。まずは愛車の現在の価値を知り、それが「ただの古い車」ではなく「資産」であることを確認してください。それだけで、これからの維持へのモチベーションが変わるはずです。

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輸入車専門店が競って入札するシステムのため、XJ-Sのような趣味性の高い車こそ、驚くような高値がつく可能性があります。「このV12のフィーリングを理解できる人に譲りたい」という方は、こちらが最適です。

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ジャガーXJ-Sの価格推移まとめ

XJ-Sは、長い間誤解されてきた名車です。しかし時代は追いつきました。 今、あなたのガレージにあるその車は、自動車の歴史が電動化へと突き進む中で、二度と手に入らない「12気筒の浪漫」そのものです。

迷っているなら、まずは現状の価値を正しく把握してください。 本当の価値を知ることは、愛車との別れを決断するためではなく、愛車との残された時間をより豊かに過ごすための第一歩なのですから。

※価格情報に関する免責事項
本記事の相場データおよび将来予測は、執筆時点での市場調査に基づく編集部の独自見解です。実際の買取価格や将来の価値を保証するものではありません。売買の判断は自己責任で行ってください。