「バンッ!」 金庫の扉を閉めるような、金属的で重厚なドア音。 垂直に切り立ったフロントガラスと、武骨なまでに四角いシルエット。 メルセデス・ベンツ Gクラス、通称「ゲレンデヴァーゲン」。それは、流線形のSUVが溢れる現代において、唯一無二の「男の道具」としてのオーラを放ち続けています。
2018年に大幅改良(実質的なフルモデルチェンジ)が行われ、乗り心地は劇的に改善されました。しかし、それと引き換えに失われた「荒々しさ」や「ナローなボディサイズ」を惜しむ声は、年々大きくなるばかりです。 「今のGクラスは高級車になりすぎた。俺が欲しいのは、本物の『ギア』だ」
オーナーの皆様は、愛車のハンドルを握るたびに感じているはずです。この車が単なる移動手段ではなく、ステータスであり、資産そのものであることを。 しかし、市場の変動を前に、一つの迷いが生じているかもしれません。 「高値がついている今、新型に乗り換えるべきか? それとも、この『最後のクラシック』を持ち続けるべきか?」
結論から申し上げます。旧型Gクラス(W463前期・中期・後期、およびW460)は、新型の供給不足と「アナログ回帰」のトレンドにより、歴史的な高値圏で安定しています。
本記事では、もはや新車では手に入らない「オリジナル・ゲレンデ」の最新市場データと、2030年に向けた資産価値のシナリオを冷徹に分析します。あなたのガレージに鎮座するその要塞が、いかに稀有な価値を持っているか、紐解いていきましょう。
この記事のポイント
・2018年以前の「旧型(W463)」は、サイズ感と無骨さで再評価され高騰中
・特に「G350d(ディーゼル)」「W460(ヴィンテージ)」は鉄板の資産価値
・ディーラー下取りはカスタムや希少性を評価せず。専門店なら数百万の差も。
旧型Gクラス(ゲレンデ)とは?歴史とスペックの魅力
引用元:メルセデス・ベンツ公式サイト
価格の分析に入る前に、なぜ「不便で乗り心地の硬い」旧型が、快適な新型よりも愛されることがあるのか。その理由は、その出自にあります。
開発背景:軍用車としての「純度」
Gクラスの起源は、1979年に登場したNATO軍向けの軍用車両(ゲレンデヴァーゲン)にあります。 「道なき道を走破し、生きて帰る」。そのミッションのために設計された堅牢なラダーフレーム、3つのデファレンシャルロック、そして見切りの良いスクエアなボディ。
これらはファッションではなく、すべてに「機能的な理由」があります。 旧型Gクラスには、電子制御で武装された現代のSUVにはない、機械としての「圧倒的な実存感」があります。 ボタン一つで快適に走る車ではなく、ドライバーが鉄の塊を御する感覚。これこそが、富裕層が最後に辿り着く「本物の贅沢」なのです。
スペック詳細:W463の完成度とW460の味わい
市場で主役となるのは、1990年から2018年まで製造されたロングセラー「W463型」です。
ボディサイズ: 全長4,575×全幅1,860×全高1,970mm(G500ロング)
エンジン:
G500/G550: V8ガソリン(圧倒的なパワーとドロドロという重低音)
G350d/BlueTEC: V6ディーゼル(極太のトルクと経済性で一番人気)
G55/G63 AMG: モンスター級の加速を見せるハイパフォーマンス版
現行型(W463A)は全幅が約10cm広くなりましたが、旧型の「全幅1,860mm」というサイズは、日本の都心部や駐車場事情において「ギリギリ扱える絶妙なサイズ」として、今なお指名買いが絶えません。
旧型Gクラスの価格推移グラフと最新相場
それでは、市場の「数字」を見ていきましょう。 「Gクラスは値落ちしない」という神話は本当なのか? 以下は、W463型(旧型)G350d/G350 BlueTECを中心とした取引価格推移です。
直近5年の価格推移(データ分析)
| 年 | 平均相場(万円) | 最安値〜最高値 |
|---|---|---|
| 2020年 | 750 | 500 〜 1,100 |
| 2021年 | 880 | 600 〜 1,300 |
| 2022年 | 950 | 700 〜 1,450 |
| 2023年 | 1,020 | 750 〜 1,550 |
| 2024年 | 1,080 | 800 〜 1,650 |
| 2025年(現在) | 1,150 | 850 〜 1,800+ |
※上記は高年式のW463(2013-2018年頃)の相場です。W460や初期W463は、状態により300万〜1000万以上と幅広くなります。
ご覧の通り、旧型になっても相場が下がるどころか、右肩上がりを続けています。特に2018年の最終モデル(ファイナルエディション等)や、低走行のディーゼルモデルは、新車価格を上回るプレミア相場で取引されています。
なぜここまで高騰したのか?
最大の要因は、「現行型の供給不足」と「旧型デザインへの回帰」です。 現行型Gクラスは世界的な人気で納車待ちが数年単位となっており、「すぐに乗れるGクラス」として旧型の需要が爆発しました。
さらに、「現行型は丸くなりすぎて迫力がない」「電子制御が増えて故障が怖い」と考えるコアなファンが、信頼性の確立された旧型後期モデル(2016-2018年式)を奪い合っています。 「最後の純内燃機関搭載のクロスカントリー」として、Gクラスは自動車という枠を超え、ロレックスのような「実物資産」になっています。
2030年までの未来予測|バブルは崩壊するか?
「EV版Gクラス(EQG)が出たら、ガソリン車は暴落するのでは?」 そのような懸念もありますが、専門家の見解は逆です。
専門家の見解とシナリオ
メルセデスが電動化へ舵を切れば切るほど、「ガソリンを燃やして走る、鉄の塊のような旧型」の希少性は高まります。 特にV8エンジン搭載モデルや、排ガス規制前のW460などのクラシックモデルは、文化遺産としての価値を強めていくでしょう。
2030年には、旧型Gクラスは「乗って楽しむヴィンテージ」と「投資用コレクション」に二極化し、状態の良い個体は現在よりもさらに高値で取引されるシナリオが濃厚です。
状態ランク別の買取相場(松竹梅)
Gクラスの査定は「グレード」と「カスタム」そして「ボディカラー」で大きく変わります。
- 【松】プレミアム・コレクター(1,200〜1,800万円以上) W463最終型(2018年式)のG350dヘリテージエディション、G63 AMG、またはフルレストア済みのW460。特に「プロフェッショナル」等の限定車は青天井です。
- 【竹】ハイスタンダード(800〜1,150万円) 2013年以降のBlueTEC/G350d。走行5万km前後。人気のオプシディアンブラックやポーラーホワイト。定番のAMGライン装着車など。
- 【梅】レストアベース・過走行(350〜600万円) 2000年代前半のG500やG320、走行10万km超え。しかし、頑丈なGクラスは10万kmは通過点。「腐ってもゲレンデ」であり、輸出需要があるため底値は非常に高いです。
重要なのは、「カスタムの評価」です。 G63仕様、ブラバス、マンソリーなどのカスタムは、ディーラーでは「改造車」としてマイナス査定になりがちですが、専門店では「プラス数百万円」の評価になることも珍しくありません。
あなたのGクラスの「こだわり」を、マニュアル通りの査定員に理解させるのは不可能です。
旧型Gクラスを一番高く売るための戦略
Gクラスを売却する際、絶対にやってはいけないこと。それは「近所の買取店やディーラーで即決すること」です。
ディーラー下取りは「数十万円」損をする
正規ディーラーは「認定中古車」の基準に合わせるため、社外パーツの付いた車や、年式の古い車を極端に安く見積もります。 また、Gクラス特有の「相場の波(輸出需要による変動)」をリアルタイムで反映できないため、安全マージンを大きく取った査定額しか出せません。
「ゲレンデ」の価値がわかる専門店へ
Gクラスの価値を知っているのは、Gクラスを専門に扱うショップや、海外輸出に強い買取業者です。 彼らは「限定色の価値」「内装デジーノレザーの希少性」「リフトアップの工賃」までを含めて、車両全体の価値を算出します。
「まだ売る気はないけれど、今の愛車の資産価値を知りたい」 賢明なオーナー様は、そうやって常に「出口戦略」を意識しています。
▼ ゲレンデ・輸入車を高く売るなら「旧車王」
一般的な一括査定と違い、旧車王は「旧車に特化した専門店」が直接鑑定します。ゲレンデのような特殊な車両こそ、その価値を正しく理解できるプロに任せるべきです。JPUC認定店のため、売却後の減額トラブル(二重査定)も一切ありません。
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旧型Gクラスの価格推移まとめ
時代がどれだけ進化しても、旧型Gクラスが持つ「本物感」は、決してデジタルでは再現できません。 それは、所有する喜びを与えてくれるだけでなく、あなたの資産を守る強力な盾ともなります。
迷っているなら、まずは現状の価値を確認してください。 その査定額を見たとき、あなたは改めてこの車の凄さに気づくことになるでしょう。
※価格情報に関する免責事項
本記事の相場データおよび将来予測は、執筆時点での市場調査に基づく編集部の独自見解です。実際の買取価格や将来の価値を保証するものではありません。売買の判断は自己責任で行ってください。